
粉体や粒体の搬送に欠かせないスクリューコンベアですが、詰まりが発生すると生産ラインが停止し、大きな損失につながります。
本記事では、スクリューコンベアの詰まりの主な原因から具体的な解決法、さらには詰まりにくいコンベアの選び方まで解説します。
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スクリューコンベアの詰まりが発生する主な原因
スクリューコンベアの詰まりは、生産ラインの停止や効率低下を招く深刻な問題です。その原因は多岐にわたり、搬送物の特性から機器の設計、運転条件、さらには外部要因まで、複合的に絡み合っていることが少なくありません。ここでは、スクリューコンベアが詰まる主な原因を解説します。
【原因1】搬送物の性状による詰まり
スクリューコンベアで搬送される材料の物理的・化学的特性は、詰まりの発生に大きく影響します。特に以下のような性状を持つ搬送物は、詰まりを引き起こしやすい傾向があります。
粘着性・付着性が高い材料
湿った土砂、泥、特定の食品原料、化学物質など、スクリューのフライトやケーシング内壁に張り付きやすい材料は、徐々に堆積し、搬送経路を狭めて詰まりの原因となります。
凝集性・固結性が高い材料
粉末状の材料が水分を吸収したり、圧力が加わったりすることで固まりやすくなる場合、搬送中に大きな塊となり、スクリューとケーシングの隙間に挟まったり、流れを阻害したりすることがあります。セメントや石灰、一部の穀物などが該当します。
粒度分布が不均一な材料
微細な粉末と大きな塊が混在している場合、細かい粒子がケーシングの隙間に詰まりやすくなったり、大きな塊が搬送中に引っかかったりすることがあります。
水分含有量の変動が大きい材料
水分量が多いと粘着性が増し、少ないと粉塵化して飛散しやすくなるなど、水分量の変化によって材料の流動性が大きく変わり、詰まりの原因となることがあります。
繊維質・絡みつきやすい材料
木材チップ、繊維くず、特定の廃棄物など、スクリューのシャフトに絡みつきやすい性質を持つ材料は、スクリューの回転を阻害し、最終的に詰まりを引き起こします。
【原因2】スクリュー形状と搬送物のミスマッチ
スクリューコンベアは、搬送する材料の種類や目的に応じて様々な形状のスクリューフライト(羽根)やピッチ(螺旋の間隔)が設計されています。これらの形状が搬送物の特性と合致していない場合、効率的な搬送ができずに詰まりが発生しやすくなります。
不適切なスクリューピッチ
粘着性の高い材料に対してピッチが狭すぎるスクリューを使用すると、材料がフライト間に滞留しやすくなります。逆に、流動性の高い材料にピッチが広すぎるスクリューを使用すると、材料が十分に押し出されず、搬送効率が低下したり、ケーシング内で材料が滑ったりして詰まりに繋がることがあります。
フライト形状の不適合
粘着性の強い材料には、材料が付着しにくいノンシャフト型スクリューやリボン型スクリューが適していますが、標準的なフルフライト型スクリューを使用すると、材料がシャフトに巻き付いたり、フライト間に固着したりして詰まりの原因となります。また、塊状の材料を搬送する際に、フライトの強度が不足していると変形し、詰まりを引き起こす可能性もあります。
【原因3】運転条件の不適切さ
スクリューコンベアの運転条件が搬送物の特性や機器の設計能力と合っていない場合、詰まりが発生するリスクが高まります。適切な運転条件の維持は、安定稼働のために不可欠です。
過剰な供給量
スクリューコンベアの設計能力を超える量の材料を一度に供給すると、スクリューが材料を処理しきれなくなり、ケーシング内で材料が滞留し、詰まりを引き起こします。これは最も一般的な詰まりの原因の一つです。
不適切な回転速度
スクリューの回転速度が遅すぎると、材料が十分に搬送されずにケーシング内に堆積し、詰まりが発生します。逆に速すぎると、材料がケーシング内で滑ったり、粉塵が舞い上がったりして、効率的な搬送が妨げられることがあります。特に、粘着性の高い材料や固結しやすい材料では、適切な回転速度の選択が重要です。
傾斜角度の不適合
スクリューコンベアを水平ではなく傾斜させて使用する場合、傾斜角度が急すぎると材料が重力によって逆流したり、スクリューフライトの間に滞留しやすくなったりして詰まりの原因となります。搬送物の性状やスクリューの設計に応じた適切な傾斜角度の選定が必要です。
【原因4】機器の摩耗・劣化
長期間の使用や過酷な環境下での運転により、スクリューコンベアを構成する部品は徐々に摩耗・劣化します。これらの摩耗・劣化が進行すると、搬送能力が低下し、詰まりの原因となることがあります。
スクリューフライトの摩耗
搬送物との摩擦により、スクリューのフライト(羽根)が徐々に薄くなったり、欠けたりします。フライトが摩耗すると、材料を押し出す力が弱まり、搬送効率が低下し、材料がケーシング内に滞留しやすくなり詰まりの原因となります。特に、研磨性の高い材料を搬送する場合に顕著です。
ケーシング内壁の損傷・腐食
搬送物の摩擦や化学的性質による腐食、あるいは異物の衝突などにより、ケーシングの内壁が損傷したり、凹凸が生じたりすることがあります。内壁が荒れると、材料が付着しやすくなり、徐々に堆積して搬送経路を狭め、詰まりを引き起こします。
ベアリングやシャフトの劣化
スクリューを支持するベアリングやシャフトが劣化すると、スクリューの回転が不安定になったり、ブレが生じたりします。これにより、スクリューとケーシングのクリアランスが不均一になり、材料が挟まったり、スクリューの駆動力が低下したりして詰まりに繋がることがあります。
駆動系の不具合
モーターや減速機などの駆動系に不具合が生じると、スクリューの回転力が低下したり、停止したりすることがあります。これにより、搬送中の材料が停止し、ケーシング内で固結したり、後続の材料によって押し潰されたりして詰まりを引き起こします。
【原因5】異物混入による詰まり
スクリューコンベアの詰まりの予期せぬ原因として、搬送物以外の異物が混入することが挙げられます。異物の種類や大きさによっては、深刻な詰まりや機器の損傷を引き起こす可能性があります。
金属片や石、木片などの硬質異物
搬送物に紛れ込んだ金属片、石、木片などがスクリューとケーシングの間に挟まると、スクリューの回転を完全に停止させ、詰まりを引き起こします。最悪の場合、スクリューフライトやケーシング、さらには駆動系にまで損傷を与える可能性があります。
プラスチック片やビニール、繊維などの異物
これらの異物は、スクリューのシャフトやフライトに絡みつきやすく、徐々に堆積してスクリューの回転を阻害します。特に、廃棄物処理やリサイクル関連の搬送で発生しやすい問題です。
メンテナンス用具や作業員の持ち物
稀に、メンテナンス作業中に使用した工具や部品、作業員の私物などが誤ってコンベア内に落下し、詰まりの原因となることがあります。
スクリューコンベアの詰まりを解決する方法
スクリューコンベアの詰まりは、生産ラインの停止や効率低下に直結する深刻な問題です。ここでは、詰まりが発生した際の具体的な対処法や、未然に防ぐための改善策を多角的に解説します。
搬送物の性状に合わせた対策
搬送物の特性が詰まりの根本原因となることが多いため、その性状に合わせた対策を講じることが重要です。
水分量や粒度の調整
粉体や粒体の水分量が多すぎると粘着性が増し、少なすぎると粉塵化して飛散しやすくなります。搬送に適した水分量に調整することで、付着や固着を防ぎ、スムーズな搬送を促します。また、粒度が不揃いな場合は、適切な粒度に揃えることで、粒子の噛み込みによる詰まりリスクを低減できます。
付着・固着防止策の導入
粘着性の高い搬送物には、ホッパーの内壁にフッ素樹脂コーティングを施したり、振動装置(バイブレーター)を設置したりすることで、付着やブリッジ現象を防ぎます。また、ケーシング内部へのエアレーション(空気吹き込み)も、粉体の流動性を高め、固着を抑制する効果が期待できます。
スクリューとケーシングの最適化
スクリューコンベアの設計が搬送物と合っていない場合、詰まりは頻繁に発生します。既存の設備であっても、部分的な改良で解決できることがあります。
スクリュー形状の変更・選定
搬送物の特性に応じて、スクリューの形状を見直すことが有効です。例えば、粘着性の高いものにはリボンフライトスクリューやパドルスクリュー、固着しやすいものにはフルフライトスクリューのピッチを調整するなどの対策があります。専門メーカーに相談し、最適な形状を選定することが推奨されます。
クリアランスの調整
スクリューとケーシング間のクリアランス(隙間)が不適切だと、搬送物が噛み込んだり、固着したりする原因になります。過度に広いと搬送効率が低下し、狭すぎると摩擦や噛み込みが発生しやすくなります。搬送物の粒度や性状に合わせて、適切なクリアランスに調整することで、詰まりを抑制し、効率的な搬送を実現します。
運転条件の見直しと最適化
スクリューコンベアの運転条件が適切でない場合も、詰まりの原因となります。現在の運転状況を詳細に分析し、最適な条件を見つけることが重要です。
供給量の管理と調整
スクリューコンベアへの供給量が過剰になると、搬送能力を超えてしまい、ケーシング内で搬送物が圧縮され詰まりやすくなります。逆に少なすぎると、空転による摩耗や効率低下を招きます。適切な供給量を維持するために、定量供給装置の導入や、供給速度の調整を検討しましょう。
回転速度の適正化
スクリューの回転速度が速すぎると、搬送物が舞い上がって飛散したり、ケーシング内で圧縮されたりして詰まりの原因となることがあります。遅すぎると、搬送物がケーシング底に沈滞し、付着や固着を引き起こす可能性があります。搬送物の種類や量に応じて、最適な回転速度に調整することが詰まり防止に繋がります。
運転スケジュールの見直し
間欠運転と連続運転の選択も重要です。粘着性の高い搬送物や固着しやすい搬送物の場合は、短時間の連続運転を繰り返すよりも、適度な間隔で運転を停止し、内部の搬送物を排出しきることで、詰まりのリスクを低減できる場合があります。
定期的なメンテナンスと部品交換
機器の摩耗や劣化は、詰まりだけでなく故障の原因にもなります。日常的な点検と計画的なメンテナンスが不可欠です。
清掃と点検の実施
スクリューコンベア内部に搬送物が残ったまま長時間放置されると、固着や腐食の原因となり、次回の運転時に詰まりを引き起こしやすくなります。定期的な清掃を実施し、ケーシングやスクリューの状態を目視で点検することで、異常の早期発見に繋がります。
摩耗部品の早期交換
スクリューのフライトや軸受、ケーシングの内壁などが摩耗すると、搬送効率が低下し、搬送物の流れが滞りやすくなります。特にフライトの摩耗は、搬送能力の低下に直結するため、摩耗が確認された場合は早期に交換することで、詰まりの発生を未然に防ぎ、設備の寿命を延ばすことができます。
異物混入防止策の強化
異物の混入は、スクリューコンベアの詰まりだけでなく、機器の破損にも繋がる危険な原因です。
投入口での異物除去
搬送物を投入する前に、ふるいやスクリーンを設置して大きな異物や塊を除去することが効果的です。また、金属片が混入する可能性がある場合は、マグネットセパレーター(磁石)を設置することで、鉄系の異物を除去し、スクリューやケーシングの損傷を防ぎます。
異物検出装置の導入
食品や医薬品など、異物混入が許されない業界では、金属検出器やX線異物検出装置をスクリューコンベアの前段に導入することで、微細な異物も検出し、ラインへの混入を未然に防ぐことができます。これにより、製品品質の確保とスクリューコンベアの安全な稼働を両立させます。
業界別|スクリューコンベアの詰まり対策事例
食品業界での事例
食品業界では、小麦粉、砂糖などの粉体、米や豆などの粒体、ペースト状の粘性物、野菜の切れ端といった湿潤物など、多種多様な搬送物が扱われます。これらの搬送物は、湿気による固結、粘着性による付着、繊維質の絡まりなどが原因でスクリューコンベアの詰まりを引き起こしやすい特性があります。
対策としては、まず搬送物の特性に合わせたスクリュー形状の選定が重要です。粘着性や固結性の高い粉体には、軸なしスクリューコンベアが効果的で、中心軸がないため搬送物が絡みにくく、付着も軽減されます。また、サニタリー性を確保するため、ステンレス製で分解・洗浄が容易な構造や、CIP(定置洗浄)に対応した設計が求められます。
ホッパー部分にはブリッジブレーカーや振動装置を設置し、供給口での詰まりを防ぐことも有効です。定期的な分解清掃とHACCPに準拠した衛生管理も欠かせません。
化学・医薬品業界での事例
化学・医薬品業界では、微粉体、固結性の高い粉体、毒性や爆発性を持つ物質、またGMP(Good Manufacturing Practice)に代表される高度な品質管理が求められる搬送物が多く存在します。これらの物質は、空気中の水分による固結、静電気による粉体付着、反応生成物の堆積などが詰まりの原因となります。
対策としては、まず気密性の高い密閉構造を持つスクリューコンベアを選定し、粉塵の漏洩防止や外部からの異物混入を防ぐことが不可欠です。防爆地域で使用する場合は、防爆仕様のモーターや制御盤、不活性ガス封入による酸素遮断などの対策が必要です。搬送物の固結を防ぐために、ジャケット付きのスクリューコンベアで温度管理を行ったり、除湿装置と組み合わせることもあります。
医薬品製造においては、分解・清掃が極めて容易で、コンタミネーションを防ぐための特殊な表面処理が施されたスクリューコンベアが選ばれます。定期的な点検と、専用の清掃手順によるメンテナンスが求められます。
下水・廃棄物処理での事例
下水・廃棄物処理分野では、汚泥、し渣(ごみ)、固形物混じりの液体、繊維質、砂、石など、非常に過酷な環境下で多様な物質を搬送します。これらの搬送物は、繊維質による絡まり、固形物の噛み込み、砂や石による機器の摩耗、粘性汚泥の付着などが主な詰まりの原因となります。
対策として最も効果的なのは、軸なしスクリューコンベアの導入です。中心軸がないため、繊維質のし渣が絡まることなくスムーズに搬送でき、詰まりを大幅に軽減します。また、搬送物の摩耗性が高いため、スクリューやトラフにはマンガン鋼などの耐摩耗性に優れた材質を使用し、耐久性を高めることが重要です。
高トルクで低速運転が可能な設計とすることで、重い汚泥や固形物も安定して搬送できます。前処理として、スクリーンによるし渣の除去や、破砕機を設置して大きな固形物を細かくすることも有効です。開放構造で清掃やメンテナンスが容易な設計を選ぶことで、日常の管理負担を軽減し、安定稼働を維持できます。
信頼できるスクリューコンベアメーカーの選び方
スクリューコンベアの詰まりを根本的に解決し、安定した運転を継続するためには、信頼できるメーカー選びが不可欠です。適切なメーカーを選定することで、搬送物の特性に合った最適な機器導入はもちろん、長期的な運用におけるサポート体制も確保できます。ここでは、メーカー選びで注目すべきポイントを解説します。
実績と専門性の確認ポイント
メーカーの実績は、その信頼性を測る重要な指標です。創業年数やこれまでの納入実績、多様な業界での導入事例を確認しましょう。特に、自社が搬送したい物質(粉体、粒体、スラッジなど)や同業種での実績が豊富であれば、そのメーカーは特定の分野に深い知見を持っている可能性が高いです。
また、ISO9001などの品質マネジメントシステム認証の有無も、製品の品質に対する意識の高さを示します。メーカーのウェブサイトやカタログ、展示会などで、具体的な技術力や専門分野について詳しく情報収集することが大切です。
カスタマイズ対応力
スクリューコンベアは、搬送物の性状や設置環境、処理能力によって最適な仕様が大きく異なります。そのため、標準品だけでなく、個別のニーズに対応できるカスタマイズ能力を持つメーカーを選ぶことが重要です。特殊な材質(耐摩耗性、耐腐食性)、特殊なスクリュー形状(リボン型、パドル型など)、あるいは特殊なサイズや駆動方式への対応が可能かを確認しましょう。
事前のヒアリングを通じて、課題解決に向けた具体的な提案をしてくれるかどうかも、カスタマイズ対応力の判断基準となります。
アフターサポート体制
スクリューコンベアは導入して終わりではありません。長期にわたる安定稼働のためには、定期的なメンテナンスや部品交換、トラブル発生時の迅速な対応が不可欠です。メーカーが提供するアフターサポート体制(保守契約、部品供給、緊急時の駆けつけサービス、技術相談など)を事前に確認しておきましょう。
導入後の技術的な疑問や不具合に対し、専門知識を持った担当者が的確なアドバイスや対応をしてくれるかどうかが、生産性維持に大きく影響します。
まとめ
スクリューコンベアの詰まりは、搬送物の特性、スクリューの設計、運転条件、機器の劣化、異物混入といった多岐にわたる原因によって引き起こされます。これらの原因を正確に把握し、それぞれに合った対策を講じることが、トラブルを未然に防ぎ、安定した稼働を維持するための鍵となります。
一時的な対処療法ではなく、生産ラインを安定稼働させるためには、これらの原因を根本から特定し、自社の搬送物に最適な機器を選定すること、そして適切なメンテナンスを継続することが不可欠です。
山本技研工機は、乾燥装置・搬送装置の専門メーカーとして、多様なスクリューコンベアの設計・製造ノウハウを保持しています。特に、詰まりやすい材料に対応可能な多彩なラインナップを誇ります。
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