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活性汚泥処理とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説

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活性汚泥処理とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説

毎日の生活や産業活動では、家庭や工場などからさまざまな汚水が発生します。この汚水を自然へ戻せる状態まで浄化するために、全国の処理施設で広く採用されているのが「活性汚泥処理」です。しかし、普段の生活のなかで、その詳しい仕組みに触れる機会は少ないかもしれません。

本記事では、活性汚泥処理の基本的な仕組みをはじめ、現場で採用されている主な処理方式について詳しく解説します。あわせて、この技術のメリット・デメリットも紹介します。

 

活性汚泥処理とは

まずは、活性汚泥処理がどのようなものか、その定義と含まれる微生物について見ていきましょう。

活性汚泥処理の定義

活性汚泥処理(かっせいおでいしょり)とは、微生物の働きを利用して下水や産業廃水を浄化する水処理方法です。汚水の中へ継続的に空気を送り込み、酸素を好む「好気性微生物(酸素がある環境で活動する微生物)」を増殖させます。こうして微生物が集まり、泥状になったものを「活性汚泥」と呼びます。

活性汚泥に含まれる微生物は、水中の有機物を栄養として取り込み分解します。その結果、水が少しずつきれいになっていく仕組みです。現在では、日本全国の下水処理場をはじめ、多くの水処理施設で採用されている代表的な処理技術となっています。

活性汚泥に含まれる微生物

活性汚泥には、多くの種類の微生物が生息しており、それぞれが役割を分担しながらバランスの取れた生態系を形成しています。

代表的なものには、細菌類、原生動物、後生動物が挙げられます。細菌類は、水中に溶け込んだ有機物を取り込み、分解する中心的な役割を担っています。一方、ツリガネムシやアメーバなどの原生動物は、増えすぎた細菌を食べて数を調整する働きを持っています。

このように、さまざまな微生物が互いに影響し合いながら活動することで、効率よく汚れを分解できる仕組みになっています。

利用される主な現場

活性汚泥処理は、身近な施設から大規模な工場まで、さまざまな現場で利用されています。代表的なのは、市町村の下水処理場です。家庭から排出される生活排水を集め、安全な水へ浄化しています。

また、食品工場や化学工場などでも広く導入されています。工場から排出される有機物を多く含む廃水は、そのまま自然へ流すことができません。そのため、排水基準を満たす水質まで処理したうえで放流されています。このほか、し尿処理施設や農村地域の集落排水処理施設でも、重要な役割を果たしています。

活性汚泥処理の仕組み

活性汚泥処理では、いくつかの設備を通しながら段階的に汚水を浄化します。ここでは、処理施設に流れ込んだ汚水が、きれいな水として放流されるまでの流れを紹介します。

汚水処理の基本フロー

活性汚泥処理による水処理は、大きく分けて以下の3つのステップで進行します。

  • 前処理(最初沈殿池):水に含まれる大きなゴミや土砂をあらかじめ沈めて取り除きます。
  • 生物処理(反応槽・曝気槽):活性汚泥と汚水を混ぜ合わせ、空気を送り込んで微生物に汚れを分解させます。
  • 固液分離(最終沈殿池):泥(微生物)とキレイな水を分離させ、上澄み液だけを排出します。

この一連のフローの中でも、水質浄化の要となる「反応槽」と「最終沈殿池」の働きについて詳しく見ていきましょう。

曝気による微生物の働き

汚れを分解する反応槽では、「曝気(ばっき)」と呼ばれる重要な工程が行われます。曝気とは、槽の底から空気を送り込み、水中へ十分な酸素を供給する作業です。

活性汚泥に含まれる好気性微生物は、酸素が不足すると窒息してしまい、十分に活動できません。曝気によって十分な酸素が供給されると、微生物は活発に動き回り、水中の有機物を次々と取り込んで分解します。その結果、有機物は水や二酸化炭素など無害なものへ変わり、水質が徐々に改善されていきます。

沈殿と汚泥の分離

微生物による分解が終わったあとの水には、活性汚泥が混ざっているため、白や茶色に濁った状態になっています。この混合液を「最終沈殿池」へ静かに流し込み、一定時間そのままにしておくと、汚れを食べて重くなった活性汚泥の塊(フロック)が、ゆっくりと底へ沈んでいきます。

こうして、底に沈殿した汚泥と、上部の澄んだきれいな水を分離できます。上のきれいな上澄み液は消毒されたのち、川や海へ放流されます。底にたまった汚泥の一部は「返送汚泥」として再び反応槽へ戻され、新しい汚水を処理するために再利用されます。

活性汚泥処理の種類

活性汚泥処理には、施設の規模や処理の目的に応じて、さまざまな方式があります。ここでは、日本の水処理施設で広く採用されている代表的な4つの処理方式を紹介します。

標準活性汚泥法

標準活性汚泥法は、最も歴史が長く、全国で広く採用されている基本的な処理方式です。基本フローの通り、最初沈殿池、反応槽、最終沈殿池の順に汚水を通して連続的に処理します。

年間を通して安定した処理水質を維持しやすいのが特徴ですが、大量の水を処理するため設備が大きくなりやすく、広い敷地を確保する必要があります。そのため、十分な用地を確保できる大規模な公共施設(下水処理場など)に適した方式です。

オキシデーションディッチ法

オキシデーションディッチ法は、主に小規模な処理施設向けに開発された方式です。円形または長円形の溝(ディッチ)に汚水を流し、水車のような装置でゆっくりとかき混ぜながら処理を行います。

最初の沈殿池を省略できる場合が多く、設備全体を比較的シンプルな構成にできます。また、発生する余剰汚泥が少ないため、維持管理の負担を軽減しやすい点も特徴です。地方の農業集落排水施設や、小規模な下水処理施設などで多く採用されています。

膜分離活性汚泥法

膜分離活性汚泥法は、非常に細かい穴が開いた特殊なフィルター(分離膜)を使って、泥と水を物理的に分離する処理方式です。最終沈殿池を設けず、反応槽の中に直接このフィルターを沈めてろ過を行います。
微細な汚れや大腸菌なども物理的にシャットアウトできるため、非常に高い水質を維持できます。また、沈殿池が不要になる分だけ設備をコンパクトにできるため、敷地面積が限られた工場などでも導入しやすいのが強みです。

回分式活性汚泥法

回分式活性汚泥法は、「1つの水槽」の中で水処理に必要なすべての工程を順番に行う方式です。汚水の流入、曝気、沈殿、上澄み水の排出というステップを、時間を区切りながら順番に繰り返します。

用途ごとに複数の槽を設ける必要がないため、設備の建設コストや設置スペースを抑えやすい点がメリットです。処理する水量が時間帯によって大きく変動する施設にも対応しやすいため、小規模な食品工場や、季節で稼働率が変わる施設などでよく採用されます。

活性汚泥処理のメリット

多くの自治体や民間企業で活性汚泥処理が採用されているのには、いくつかの理由があります。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。

処理効率の高さ

活性汚泥処理の大きなメリットは、有機物を効率よく除去できる点です。適切に設計・管理された設備であれば、水中の有機物を比較的短時間で分解できます。また、水の汚れ具合を示すBOD(生物化学的酸素要求量)を大きく低減できるため、厳しい排水基準にも対応しやすくなります。年間を通して安定した処理水質を維持しやすい点も、多くの施設で採用されている理由の一つです。

コスト面での利点

長年にわたって利用されてきた技術であるため、設備設計や維持管理に関するノウハウが世の中に豊富に蓄積されています。特殊な部品を必要としない標準的なシステムを組めるため、初期費用を抑えやすい傾向があります。
また、化学薬品を大量に投入して汚れを強制的に処理する方法と比べると、薬品代を大きく削減できます。微生物という「自然の浄化能力」を活用するからこそ得られるコストメリットです。

環境負荷の低減

化学薬品に過度に頼らないため、処理の過程で有害な副産物が発生しにくく、生態系への影響を最小限に抑えながら処理水を放流できます。きれいになった水は、自然にかえすだけでなく、中水(再利用水)として工場の冷却水やトイレの洗浄水などにリサイクルされるケースもあります。水資源を有効活用し、環境負荷を低減できるエコな処理方法です。

活性汚泥処理のデメリット

活性汚泥処理は優れた水処理技術ですが、微生物を利用するため、運用時には注意すべき点もあります。ここでは、導入前に知っておきたい代表的なデメリットを紹介します。

汚泥の発生と処理課題

活性汚泥処理では、処理の過程で余剰汚泥(増えすぎた微生物の泥)が発生します。有機物を分解しながら増殖した微生物は、やがて寿命を迎え、槽の底に汚泥として蓄積されます。

この余剰汚泥はそのまま放置できないため、施設外へ搬出し、適切に処分または再資源化しなければなりません。脱水や乾燥、焼却などの処理には多くのエネルギーと費用が必要です。そのため、汚泥処理にかかるコストは、多くの処理施設で大きな課題となっています。

運転管理の難しさ

生きた微生物を利用するため、運転管理にはある程度の専門知識と経験が求められます。水温、pH(酸性・アルカリ性)、供給する酸素量などを適切にコントロールし、常に微生物が「活動できる環境」を維持しなければなりません。

環境が大きく変化すると、微生物の働きが低下し、処理能力が落ちる場合があります。また、水面に大量の泡が発生したり、汚泥が沈みにくくなったりするトラブルが起こるケースもあります。安定した処理を続けるためには、日々の点検や状況に応じた調整が重要です。

水質変動への影響

処理施設へ流れ込む汚水の量や成分が急激に変化すると、微生物がショックを受けてしまい、処理能力が一時的に落ちる場合があります。例えば、工場内で普段使わない強力な殺菌剤や洗剤が大量に流れ込むと、微生物が死滅し、浄化機能が完全にストップしてしまう恐れもあります。流入する水質の変動を一定に保つための調整槽を設けるなどの対策が必要です。

まとめ

活性汚泥処理とは、微生物の働きを利用して下水や産業廃水に含まれる有機物を分解し、水を浄化する代表的な水処理技術です。高い処理性能を持ち、下水処理場や工場など幅広い現場で採用されています。一方で、余剰汚泥の発生や運転管理の難しさなど、運用時に考慮すべき課題もあります。

活性汚泥処理には標準活性汚泥法や膜分離活性汚泥法(MBR)など複数の方式があり、施設の規模や排水の性質に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。そして、設備の性能を長期間維持し、運用コストを抑えるためには、発生した「汚泥の処理(減容化)」までを含めてトータルで設計・運用を見直す必要があります。

山本技研工機では、活性汚泥処理で発生する厄介な余剰汚泥の減容化に役立つ乾燥機器や、スクリューコンベヤをはじめとした搬送機械をオーダーメイドで製造しています。ドラムドライヤーなど各種乾燥機のほか、プラント機器の設計・製作にも対応していますので、汚泥処理コストの削減や設備の導入・更新をご検討の際はお気軽にご相談ください。

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