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水処理における汚泥とは?

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水処理における汚泥とは?

​水処理における汚泥とは、産業排水や生活排水の処理過程で生じる沈殿物や浮遊物を指します。​
これらは適切に処理・処分しないと環境への悪影響や法的リスクを招く可能性があります。​近年、中小企業でも処理工程の省力化や廃棄物量の削減を目的に、汚泥乾燥機や脱水機の導入が進められています。​

本記事では、水処理における汚泥の定義から種類、処理方法、さらには導入設備について解説します。

水処理における汚泥とは何か?

汚泥とは、水処理過程において水中の不純物を分離・沈殿させた際に発生する泥状の物質です。産業排水や生活排水に含まれる有機物・無機物・微生物などが凝集し、沈殿または浮上することで生成されます。
この汚泥は、そのままでは有害な物質を含むことも多く、環境負荷や悪臭、法的規制への対応など、適切な処理が不可欠です。

水処理工程で汚泥が発生する仕組み

水処理では、凝集沈殿や活性汚泥法といった工程で浮遊物質を除去します。このとき生成されるフロック(凝集体)が沈降し、汚泥として分離されます。これらは一次処理(物理的)と二次処理(生物的)の両方で発生します。

製造業における汚泥の種類と特徴

製造業では、工程ごとに異なる性質の汚泥が生じます。たとえば化学工場では高濃度の有機・無機成分を含む汚泥、食品工場では生物由来の有機性汚泥が多く発生します。これらは処理方法の選定にも大きな影響を与えます。

汚泥の主な分類と性質

有機性汚泥と無機性汚泥

汚泥は大きく分けて「有機性」と「無機性」に分類されます。有機性は微生物や食品残渣など生物由来の物質を多く含み、腐敗や悪臭の原因になります。一方、無機性は砂や金属成分などが主成分で、比較的安定した性状です。

初沈汚泥・余剰汚泥・活性汚泥など

  • 初沈汚泥:一次処理で沈降した汚泥で、比較的含水率が高い
  • 余剰汚泥:生物処理後に増殖した微生物を含む汚泥
  • 活性汚泥:微生物が有機物を分解する過程で生成されるフロック状汚泥
それぞれ処理の難しさや再利用の可否が異なります。

脱水前後での含水率と処理難易度

脱水前の汚泥は含水率が約97~99%と非常に高く、重くて扱いづらい状態です。脱水後でも70~80%ほどあり、乾燥や焼却のためにはさらに含水率を下げる必要があります。高含水率のままでは輸送・処分コストも増大します。

水処理汚泥の一般的な処理方法

脱水処理:スクリュープレス・ベルトプレス

脱水処理は、汚泥中の水分を機械的に除去し、処理しやすい状態にする工程です。代表的な機械にはスクリュープレス型、ベルトプレス型などがあり、圧搾によって水分を排出します。処理能力やコストに応じて選定が必要です。

乾燥処理:汚泥乾燥機による減量化

脱水後でも高い含水率が残るため、さらに乾燥処理を行うことで含水率を20%以下にまで下げることができます。これにより、運搬コストや最終処分費が大幅に削減可能になります。

焼却・埋立・再利用への流れ

乾燥汚泥は、焼却や埋立により処分されるほか、成分によってはセメント原料や土壌改良材としてリサイクルされるケースもあります。リサイクルの可否は、重金属などの有害物質の有無により判断されます。

汚泥乾燥機の活用によるメリット

処理物の体積・重量を大幅削減

乾燥機を使用することで、汚泥の体積をおよそ1/5、重量を1/3程度にまで削減することが可能になります。
これにより、運搬や処分のコストを大きく抑えられます。

処理工程の自動化・省人化

汚泥乾燥機は、スクリューや搬送機と組み合わせることで自動供給・処理ラインの構築が可能です。これにより、人手に頼らない安定稼働が実現できます。

メンテナンス対応含めた一貫サポート体制の活用

山本技研工機では、汚泥乾燥機や廃液乾燥機などを「設計・製作・設置・保守」まで一貫してサポートしています。
中小企業でも安心して導入できるサポート体制が整っています。
▶ 山本技研工機株式会社|公式サイト

設備導入を成功させるためのポイント

処理対象物の性状に応じた機器選定

処理対象の汚泥が有機性か無機性か、含水率や粘性などに応じて、適切な乾燥機や脱水装置を選ぶ必要があります。事前の分析とヒアリングが重要です。

設計から製作・設置・保守までの対応体制

一貫対応の体制をもつメーカーであれば、設計ミスや導入後のトラブルも最小限に抑えることができます。特に中小企業では社内に専門技術者がいないことも多いため、外部の専門性は重要です。

まとめ

水処理における汚泥の適切な処理は、環境対策だけでなくコスト削減や業務効率化にも直結します。

中小製造業にとっても、乾燥機などの処理設備を上手に活用することで、自社内での効率的な処理が実現できます。
法令遵守とともに、安定稼働を実現するためには、信頼できるパートナー企業の存在が不可欠です。今後の事業運営において、汚泥処理の最適化は避けては通れないテーマとなるでしょう。
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