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排水処理とは?基本の仕組みから自社処理の導入までを解説

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排水処理とは?基本の仕組みから自社処理の導入までを解説

排水処理は、製造業における環境対策・法令遵守の要となる重要な工程です。工場や施設から排出される排水には、有機物や重金属、油分など多様な汚染物質が含まれており、これを適切に処理しなければ環境汚染や罰則のリスクを抱えることになります。

近年では、省人化・自動化のニーズに伴い、汚泥乾燥機や廃液処理機器の導入による自社排水処理が注目されています。
設備導入により、コスト削減だけでなく、安定した排水管理と品質向上を実現することも可能です。

本記事では、排水処理の基本的な仕組みから処理フロー、導入機器の種類を解説します。

排水処理とは?基本の考え方と法的背景

排水処理の定義と重要性

排水処理とは、工場や施設、一般家庭などから排出される水に含まれる汚濁物質を取り除き、自然環境に放流可能な状態まで浄化するプロセスです。これは、水質保全や生態系の保護だけでなく、人々の健康や地域社会の持続性を守る上でも不可欠な取り組みといえます。

水質汚濁防止法などの関連法規制

日本国内では「水質汚濁防止法」や「下水道法」などの法令が排水処理に関与しています。これらの法令では、BOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)、pHなどの項目ごとに基準値が定められており、違反した場合は行政指導や罰則が科せられる可能性があります。

排水基準と企業のコンプライアンス対応<

製造業における排水基準の遵守は、企業の社会的責任(CSR)やESG経営にも直結します。環境に配慮した排水管理体制を構築することで、企業価値の向上や取引先・地域からの信頼にもつながります。

排水処理の仕組みと工程フロー

排水処理の全体フロー(予備処理~最終処理)

排水処理は、以下のような段階的なフローで実施されます。
  • 予備処理:スクリーンやグリット除去によって大きな異物や砂を除去。
  • 一次処理:沈殿や浮上によって固形物を物理的に除去。
  • 二次処理:微生物処理で有機物を分解(活性汚泥法・MBRなど)。
  • 三次処理:吸着や脱窒、リン除去などによる高度処理。

一次処理:沈殿・浮上・スクリーン除去

一次処理では、スクリーン装置で大きなごみを取り除き、沈殿槽や浮上槽を用いて、砂や土、油分などを除去します。これは主に「物理的処理」に分類されます。

二次処理:活性汚泥法・膜分離法(MBR)

二次処理は「生物的処理」に分類され、微生物を活用して水中の有機物を分解します。活性汚泥法はコスト効率が高く、MBR(膜分離活性汚泥法)は高い処理精度が求められる場面で活用されます。

三次処理:脱窒・リン除去・吸着処理など

三次処理では、窒素やリン、重金属、微量有害物質などの高度な除去を行います。吸着処理では活性炭などを用い、排水のさらなる浄化を実現します。

排水処理に使われる主な設備と特徴

沈殿槽・反応槽・スクリーン装置の役割

沈殿槽は重力を利用して浮遊物を沈降させる装置です。反応槽では、化学薬品や微生物を加えて汚濁物質を分解または中和します。スクリーン装置は予備処理段階で使用され、大きな異物を除去します。

汚泥脱水機・乾燥機の活用メリット

排水処理で生じる副産物である汚泥は、そのままでは処分や運搬にコストがかかります。汚泥脱水機で含水率を下げるとともに、さらに乾燥機を使えば体積を大幅に削減でき、処理費用の最適化に繋がります。

pH調整装置・薬品注入装置の機能

pH調整装置は、微生物の活動や薬品処理が最も効率よく行えるように、水の酸性・アルカリ性を調整します。薬品注入装置は、凝集剤や消泡剤を自動で投入し、効率的な水処理を支援します。

汚泥・廃液の処理を効率化する乾燥機の導入

汚泥乾燥機で得られる処理コスト削減効果

汚泥乾燥機を導入することで、含水率を40%未満にまで下げられます。これにより、運搬・保管・最終処分費用を大幅にカットでき、排水処理にかかる総コストの削減につながります。

廃液乾燥機による脱水・塊状物の再資源化

廃液乾燥機は、油分や有機溶剤を含む廃液を加熱・蒸発させ、再資源化できる固形物へと変換します。リサイクル可能な副産物としての活用も期待されており、環境負荷の低減と収益化の両立が可能です。

山本技研工機による設計・製作・保守一貫体制

汚泥乾燥機や廃液乾燥機の導入においては、山本技研工機が提供する一貫サポート体制が強みです。
現場調査から設計、製作、設置工事、アフターメンテナンスまでを一社で完結できるため、安心して導入できます。

▶ 山本技研工機株式会社公式サイト

排水処理の未来と環境対応の展望

省エネ・省人化の進展とスマート水処理

近年はIoTやAIを活用した「スマート排水処理」も注目されており、設備稼働状況の遠隔監視やトラブル予測、自動運転が進められています。これにより、省人化と運用最適化が同時に実現可能です。

ゼロエミッション・再利用の可能性

処理水を工場内での冷却水や洗浄水として再利用するリサイクルループの導入も進んでおり、ゼロエミッション型の排水システムが一部で実現されています。

企業のESG対応と排水処理の位置づけ

ESG(環境・社会・ガバナンス)経営が重視される中、排水処理は「E=環境」に直結するテーマとして、企業価値評価の要素となっています。今後ますます、適切な排水管理が投資家や取引先からも問われる時代となるでしょう。

まとめ

排水処理は、単なる設備導入にとどまらず、環境保護と法令遵守、そして企業価値向上の中核を担う取り組みです。自社での処理体制を整えることで、コスト削減とリスク低減の両立が可能になります。 汚泥乾燥機や廃液乾燥機などの導入は、その第一歩となる重要な手段です。信頼できるパートナー企業と共に、最適な設備と運用方法を選び、持続可能な排水処理を目指しましょう。
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